03 Column
コラム
ホルター心電図心房細動、放置すると怖い!
- 高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群の方は要注意 -
日本医科大学大学院医学研究科
循環器内科学分野
教授 清水 渉 先生
高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群は心房細動の危険因子であり、心房細動の早期発見は脳梗塞などの予防に重要となります。3月10日にスズケングループ特別ウェビナーが開催され、「ガイドライン改訂を踏まえた心房細動治療の最前線 ~脳梗塞を防ぐために」をテーマに、日本医科大学大学院循環器内科学分野教授(現 新東京病院 副院長 兼 不整脈疾患担当特別顧問) 清水 渉先生にご講演頂きましたのでご紹介します。
はじめに
「最近、ドキドキする」「脈が飛ぶ感じがする」…。もしかしたら、それは心房細動のサインかもしれません。心房細動は、心臓がブルブルと震え、正常なリズムを刻めなくなる不整脈です。放置すると、脳梗塞、心不全、認知症のリスクを高めることが知られています。
心房細動の危険因子
特に、高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の方は、心房細動のリスクが高いことが分かっています。
- 高血圧:心房細動の発症率が約3倍
- 糖尿病:心房細動の発症率が約2倍
- 睡眠時無呼吸症候群:心房細動の発症率が約5倍
これらの疾患があると、心臓に負担がかかりやすく、心房細動を引き起こしやすくなります。
早期発見の重要性
心房細動は、症状がない場合も少なくありません。しかし、症状がないからといって放置するのは危険です。早期発見し、適切な治療を行うことで、脳梗塞などのリスクを減らすことができます。
ホルター心電図検査とは
心房細動の早期発見に役立つのが、ホルター心電図検査です。小型の装置を身につけ、24時間心電図を記録することで、普段の生活の中での心臓の状態を詳しく調べることができます。
特に、以下のような方には、ホルター心電図検査をおすすめします。
- 動悸、息切れ、胸の不快感などの症状がある方
- 健康診断で不整脈を指摘された方
- 高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の方
心房細動の最新のガイドラインに基づいた適切な治療、生活習慣の改善など包括的な管理
2024年度 JCS/JHRSガイドラインフォーカスアップデート版不整脈治療では、リズムコントロールの有用性を高めるために、高血圧・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群などの併存疾患の治療、および肥満・喫煙・過度な飲酒など生活習慣の改善を行うことを推奨されています。
最後に
心房細動は、放置すると怖い病気ですが、早期発見・早期治療でリスクを減らすことができます。高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の方は、特に注意が必要です。気になる症状がある方、健診で異常を指摘された方は、お早めに循環器専門医にご相談ください。